去年からオーストラリアの州リーグに導入された外国人枠。この2枠しかない外国人枠を巡って、多くのオーストラリアの国籍を持たないプレーヤー達がしのぎを削っている訳ですが、オーストラリアの州リーグは、いわばサラリーキャップ制度とも言えるポイント制度を導入してます。簡単に例えると、各クラブに与えられたポイントが200ポイントで、ユース上がりのプレーヤーは10ポイント、他のクラブから移籍してきたプレーヤーは20ポイント、Aリーグでのプレー歴があるプレーヤーは30ポイントといった形で、200ポイント内で、プレーヤーを揃えなくてはいけないわけですが、外国人プレーヤーというだけで、元々プレーヤーが持っているポイントにさらに外国人ポイントが加算される為、外国人プレーヤー1人と契約するというだけでかなり多くのポイントを使ってしまうことになり、クラブとしては他のプレーヤーにポイントを使えなくなる、要するに良い選手と契約できなくなってしまう訳です。そんな事情から、例えばNSWプレミアリーグのチームと外国人選手が契約するには、Aリーグでプレーしているオーストラリア人ぐらいの実力がないと厳しいといったところが現実です。実際、現在NSWプレミアリーグの練習しているある日本人選手の場合も、オーストラリア人なら即契約するが、外国人枠を使うということでもう少し様子を見たい、といった事を言われています。
Japanサッカーカレッジ出身の佐々木勇二君、現在、NSWプレミアリーグの某クラブの練習に参加してますが、このクラブは、あの森安洋文選手がシドニーFCに入団する前にプレーしていたクラブで、クラブのオーナーも「HIRO(森安洋文)の様に、他のオーストラリア人プレーヤーより明らかに上手くないと契約しない」と言い切っているだけに、契約のハードルはかなり高いです。
約5年前から、NSWプレミアリーグ、スーパーリーグに所属するクラブへの日本人選手のトライアル、練習参加をアレンジしてきましたが、この外国人枠、そしてポイントシステムのの影響で、去年から、契約できるプレーヤーのレベルのハードルがかなり上がっているのを肌で感じています。オーストラリア人選手と同じレベルでプレーしても、絶対にそのリーグではプレーできません。自己主張が苦手な日本人ですが、練習中からいかに自分の武器をアピールできるか、自分のプレーを主張していくか、という事を考え、プレーで出していくという事が、外国人枠を勝ち取る重要なポイントの一つではないかと思います。
本当にサッカープレーヤーなのか?と思ってしまうほどのマッチョな体型をしたアフリカ系プレーヤー。オーストラリアにはどのカテゴリーでもこういった規格外の体型、そしてスピードとパワーを持っているプレーヤーが存在します。クラブと契約するには、こういったプレーヤーともスポットを競って、勝たなくてはいけません。
現在、NSWスーパーリーグに所属するクラブの練習に参加している伊藤輝紀君、本人も外国人選手として契約する難しさを十分に自覚しながら、日々の練習に励んでいます。
オーストラリアでプロサッカー選手を目指す男達